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馬場 早莉

「いつでもマイペース」

· Players

「大学卒業、おめでとうございます。本格的にプロツアーへの参戦になりますね。」

「ありがとうございます。はい、学業との両立も大変でしたが、これからはプロとして本当に頑張ります。」

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鹿児島生まれ、鹿児島育ちの馬場早莉選手。練習拠点を求めて関東と鹿児島の二重生活を送りながら、小さいころからの夢だったプロテニスプレイヤーの夢を追いかけ続けました。

そんな彼女のテニス人生のスタートは意外なものでした。

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Tennis Tribe.JP (以下、TT):「テニスを始めたきっかけからお話を始めましょうか。ご両親がやられていたとか?」

馬場早莉選手(以下、馬場):「始めたのは5歳からなんですけど、その頃の仲のいい友だちがテニスをやっていて、その子と一緒に遊びたいがために同じスクールに入ったのがきっかけなんです。」

TT:「じゃ、家庭にはテニスをするような環境はなかったということですか?!」

馬場:「そうなんです。鹿児島市内のERG(エルグ)というスポーツクラブで中1までお世話になってました。」

TT:「で、そのお友だちもずっと一緒にやっていたんですか?」

馬場:「それが、その子は小1でやめちゃって(笑)。でもテニスが面白くて、そのままずっとやってました。」

TT:「テニスに本格的に取り組み始めたのは、いつ頃からでした?」

馬場:「小3でERGの育成クラスのようなレベルに上がったんですが、その頃に鹿児島県ジュニア大会に出たんです。相手は当時1シードの選手で、試合をしている時には負ける相手じゃないって思えて、それでも2-6で負けてしまったんです。それがどうしてなのか分からなくて、すごく悔しくて、それでテニスを強くなりたいって火がついたのを覚えています。」

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馬場選手は、小学校時代から鹿児島県レベルから全国レベルの選手に成長していきます。

TT:「小学生で全国大会に名前が出てくるようになりましたね。」

馬場:「はい、小4か5の頃から中3まで、有村コーチ(現ATA主宰S級エリートコーチ)にご指導いただくようになってからです。最初の全国大会は小学生の時で、中学では全中でベスト16、全日本ジュニアベスト4の成績まで育てていただきました。」

TT:「その後、高校からは活動の拠点を関東に移していきました。」

馬場:「はい、有村コーチにご指導をいただいてとてもお世話になったんですが、普段の練習環境が鹿児島県内の高校生の男子や大学生で、もう少し上を目指すには全国レベルの相手と競わないといけないのではないかと思うようになったです。その時に千葉県のTTC(吉田記念テニス研修センター)にご縁をいただいて、千葉で練習しながら鹿児島の学校に籍を置く生活を送ることになりました。高校1年の時でした。高2で山梨に一時期拠点を移した後に、SSC(荏原湘南スポーツセンター)にお世話になりました。」

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大学卒業を控えた2016年8月に、馬場選手はプロ転向を宣言しました。

そこに至る経緯を聞いてみました。

TT:「中学、高校とテニス中心の生活を送ってくる中で、プロへの意識というのは芽生えてきたんでしょうか。」

馬場:「もっと早かったです。小3の時に県ジュニアで負けて悔しい思いをしたってお話しましたよね。ちょうどその頃に、当時の中間亮コーチ(現ジュンレオテニスアカデミー・マネージャ)が福岡国際女子テニスの観戦に連れて行ってくれたんです。そこで、17歳のイバノビッチ(セルビア出身の元世界1位、2016年現役引退)の試合を観たんですが、それがすごいショックで。テニスに火がついただけじゃなくてプロの選手になってみたいって、そこで思い始めたんです。」

TT:「イバノビッチが原点ですか!」

馬場:「はい、そう言ってもいいです。それくらい、テニス選手ってこんなすごいんだって、本当にショックでした。」

TT:「温め続けたプロへの思いを、高校卒業の時にプロ転向で実現しようとは考えませんでしたか?」

馬場:「高校3年の夏までは、卒業後のプロ転向を考えていました。それまでは大学のテニスは私が目指すプロの世界とは違うだろうって思っていたので、大学進学してからプロを目指すというのは全く視野になかったんです。」

TT:「その思いを変える何かがあったと。」

馬場:「はい。高3の時点で、本当はプロに転向するだけの実力があるのかどうかもまだ不安があったんです。そんな夏に、毎日トー(毎日テニス選手権)で早稲田大学の学生だった桑田さん(桑田寛子プロ、2015年全日本選手権優勝)にあたって、完敗したんです。その試合が、私がそれまで思い込んでいた大学のテニスとは全く違っていました。大学進学してもこんなテニスできるならって思って、大学進学を考えるようになりました。」

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TT:「大学は早稲田ということで、桑田さんを追いかける形になりましたね。」

馬場:「そうなりますね(笑)大学は、行くならちゃんと勉強もしたいと思ったんです。早稲田のスポーツ科学部はスポーツビジネスとか栄養学とかも勉強できるので、それに入学前からテニス部の練習会に何度か入れていただいたんですが、土橋さん(土橋登志久、早稲田大庭球部監督、フェドカップ日本代表監督)が本当に良い方で。」

TT:「でもよく見ると当時の所属はSSCになってますね。」

馬場:「はい、そうなんです。大学では最初の1年庭球部に所属したんですが、ITFの大会により集中するのが自分のテニスにとってはいいのではと考え、大学は学業中心にして、テニスの拠点はSSCにしたんです。」

TT:「早稲田出身の現役プロはたくさんいますね。」

馬場:「桑田さんもそうですし、波形さん(波形純理プロ、2011年全豪、全仏出場)、それに青山さん(青山修子プロ、2013年ウィンブルドン複ベスト4)もよく声をかけてくださるので、とても勇気付けられます。」

TT:「大学4年の昨年8月にプロを宣言しましたが、この時のことを聞かせてください。」

馬場:「周りの友人が就職先を決めて行く中でしたが、私としてはOLになっている自分の姿がどうしても想像できなかったんです。小さい頃からの憧れの道でしたし、プロ選手にならない道が考えられなくて、プロ登録を決めました。」

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TT:「馬場選手のプレーは、体幹をしっかりとさせた安定のストロークを中心にプレーする印象がありますが、ご本人はどのようなプレーを目指していますか?」

 

馬場:「そんなことなくって、軸がブレブレだっていっつも指導されるんですよ(笑)目指すのは、オフェンシブなスタイルです。ラリーで展開を作って行くというより、今は得意なフォアハンドでしっかりとコートに入ってダウンザラインやアドコートから回り込んで逆クロスのパワーのあるショットで押して行くことを中心に取り組んでいます。」

 

TT:「将棋のように詰めて行く形じゃなくて。」

 

馬場:「もっとランクを上げて行くとその先はショットだけでポイントしていくのは難しくなると思うので、その時までには展開の引き出しを持っておく必要があるとは思っていますが、今のランキングところではショットの攻撃性を上げることに集中したいと思ってます。」

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TT:「2016年からここまでの戦いについてお伺いします。ITFプロツアーは14試合、その他JOPの大会に出ていますね。」

 

馬場:「国内の大会を中心に回るようにしました。学業との両立もありましたし。」

 

TT:「主な戦績としてはITFで9月の京都10Kでベスト8」

 

馬場:「京都はカーペットコートで早いサーフェースなんですが、それが私に合っていたのかも。」

 

TT:「実は毎トー、全日本、全日本室内のJOP大会では高い戦績を残していますね。」

 

馬場:「あ、そうですね。毎トーは準優勝でしたが、ファイナル3-1からひっくり返された悔しい試合でした。」

 

TT:「全日本はQF(準々決勝)で加藤(未唯、2シード、現在WTA204位)選手に1-6 3-6、今年2月の全日本室内ではSF(準決勝)荒川(晴菜、4シード、現在WTA496位)に5-7 2-6。それぞれ、どうでした?」

 

馬場:「加藤選手には、やはりまだ差を感じるところは多かったです。フォアハンドのクロスショットの質と、もっと差を感じたのはフィジカル面です。他の選手では返ってこないか、返っても弱いボールになるようなところでも、加藤選手はコートカバーリングがいいのでしっかりと打ち返せる。私もそういうしっかりしたフィジカルを身につけないとならないと感じた試合でした。荒川選手は、試合巧者で強いですね。色々なことをやってくるので的を絞らせてくれませんでした。」

TT:「3月に大学を卒業して、本格的にプロ活動が始まりました。今のところどうですか?」

 

馬場:「両親からは大学卒業で社会人になったわけだから資金援助は終わりと言われていたので、今は活動資金をご支援くださるスポンサーを探しています。」

 

TT:「このインタビューで興味を持っていただけるスポンサーが出てくるといいですね!」

 

馬場:「はい、是非!個人の方にはアスリートエール(http://www.athleteyell.jp/baba_sari/)でご支援を募集していますので、宜しくお願いしま〜す(笑)」

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TT:「今後の目標についてお聞かせいただけますか?具体的にこんな選手になりたいとかも。」

馬場:「100位に入ってグランドスラム定着できるプレイヤーになって、私がそうだったように、イバノビッチのように子供たちに夢や目標を与えられるような選手になりたいです。」

TT:「ランキング的にはどんなプランを考えていますか?」

馬場:「今年の終わりには600位、来年300位、再来年2019年には100位台に入っていきたいです。そうして2020年には100位を達成していれば、グランドスラムだけじゃなくて、オリンピックの代表にも手が届く可能性があると思うんです。」

TT:「オリンピックも視野にあるんですね。」

馬場:「他のオリンピックだったらそうは思わないんでしょうけど、2020年は東京なので、やっぱり大きな目標になります。」

TT:「あ、最後に一つ忘れてました・・」

 

馬場:「なんですか??」

TT:「(馴れ馴れしくも)早莉ちゃんに最初に会ったのは高校1年のときだったね」

 

馬場:「そうでしたよね!」

 

TT:「グランドスラムに入ったら、応援団として一席用意してもらえませんか?」

 

馬場:「もちろんです〜!ファミリーボックスをご用意します!」

(職権乱用すみません)

最後に一言と、サインをいただきました。

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いつも明るくちょっと「天然」な彼女に、ぴったりの一言と思います。

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応援メッセージは、馬場選手のAthlete YellまたはTwitterまでお願いします。

また、活動資金を広く募集中です。詳しくは、同じくAthlete Yellまで。

聞き手:Tennis Tribe.JP 新免泰幸

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