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加治遥

「自分次第」

· Players

165センチと日本人女子選手では比較的高い身長と、一目でしなやかそうで競技向きと分かるバランスの取れた身体の彼女。2017年春に園田学園女子大学を卒業後プロに転向し、4月から島津製作所の一員となりました。2016年末ランキング622位から約300位上げて329位(7月17日付け)と、最も早い成長を見せる選手の一人です。

タレント豊富な1994年生まれの中で、大学卒業からプロ活動を始めた加治遥選手に話を聞きました!

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TT:「プロ転向早々に甲府の優勝、その前後もベスト4や準優勝などでランキングは一気に300位台です。早速ですが、プロ転向後の滑り出しについて、特に300位台についてどう評価していますか?」

加治:「昨年からディフェンドするポイントがあまりないですから・・。でも、ランクについては確かに300位台まで来ていますけど、まだ自分がそこにいる感覚がなくて、なんか消化できていない感じなんです。。」

300位台というと、もう少しで全米オープン予選が見えて来ます。その世界を我が事と捉えるにはまだ心の準備が足りないのか、それともそんなにランクが簡単に上がるほど甘い世界ではないと理解しているのか、どちらにしても、気負うことなく淡々と試合の結果は付いてくるという具合のようです。

TT:「さて、時間を遡りますが、テニスを始めた頃を思い出していただけますか?どういうスタートでした?」

加治:「あんまり覚えていないんですよね(笑)5−6歳の頃に3つ上の兄がテニスを始めて、それに付いて行ったのが始まりだと思います。お父さんは学生時代にサークルでテニスをしたことがあって、お母さんは卓球をしていたらしいんです。親がコーチでとか、そういう環境じゃなかったです。」

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TT:「岡山のご出身ですね。選手育成のスクールに恵まれたとか?」

加治:「家は岡山県でも山の中の津山という町で、テニスを始めたのはJFTC(F-FIELD Tennis Club)というところでした。市営のコートを使ったテニスクラブで、特に選手育成で有名とかじゃなかったと思います。でも、柏木コーチには10年間ずっとお世話になりました。」

TT:「岡山県ジュニア選手権U12を10歳で制した県内最年少優勝記録をお持ということで、『神童』ぶりを発揮されていたようですね。小中学校時代のテニスはどうでした?」

加治:「そんなことないです。全小に初めて出たのは小6の時だったと思いますし、全中も中3で出られてせいぜい2回戦まででしたので、小中学校時代は、岡山の地域レベルの選手でした。」

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TT:「全小のことは覚えていますか?」

加治:「一回戦で、細くて長い、林に負けたのを覚えています(笑)」

TT:「(爆笑)福井で同世代の林恵里奈選手ですね。」

(『林』と呼ぶあたり、互いにライバルでありいい友人関係であることがよくわかります。あとで紐解きましょう!)

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TT:「高校はテニスの名門園田学園に進みました。同世代で通信高校でテニスに集中する選手もいる中、同じような進路は考えましたか?」

加治:「全く考えなかったわけではなかったです。でも、実力的にテニス一本に賭ける状況ではなかったですし、勉強もしたいと考えていましたので。」

TT:「外からは園田は厳しいところなんだろうなと勝手に想像しているのですが・・」

加治:「実は私もそんな風に想像していたんです。女子校ですし、ギスギスしていたりするのかなって。それが全く違ってて、テニスも学校の友達もすごくよくてとても楽しかったです。」

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TT:「高校時代から全国区の戦績を残し始めます。高1で全日本ジュニアU16ベスト16、高2でU18ベスト16、高3でベスト8の記録です。」

加治:「そうですね、1年生の時は団体戦でもやっとナンバー5に入れてもらえるくらいのテニスだったので、園田のテニスでそこまで行くことができました。」

TT:「そして大学は園田学園女子に進学して、全日本学生室内を2連覇で一気に花が咲きました。」

加治:「はい、自信につながりました。でも、インカレは優勝できなかったです。学生最後の年は本当に勝ちたかったんですけど。。」(ベスト4がインカレ最高成績)

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TT:「プロ転向についてお話しを伺います。高校卒業でプロに転向した選手が多い中でご自身の進学という選択肢はどういうものでしたか?」

加治:「テニスはプロとしてやっていこうと思っていましたし、グランドスラムも目指したいと思っていました。でも、高校卒業の時点で私の同世代では尾崎里紗選手くらいの実力がないとプロになってもやっていけないって感じてました。園田に入ってもITFの大会にも出られるということがわかったので、大学に進んでテニスを続けることにしました。」

TT:「でも、焦りとか、ありませんでしたか?」

加治:「ITFの大会に出られるとはいえ、大学の授業もありますし、プロになった同世代の活躍を見て置いていかれるような焦りは正直ありました。でも、それは大学に進んだことを後悔するようなものではありませんでした。」

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TT:「プロ転向の最初の年から、島津製作所の一員になったなんて、本当にいいスタートを切りましたね。」

加治:「島津からはお誘いをいただいたわけではなくて、自分からアタックしてみたんです。最初は特にメンバーを増やす気はなさそうだったんですが、それがいろんなタイミングといいますか(笑)島津のコーチや園田の監督にもたくさん相談して、最終的に島津の小森監督に拾っていただいた感じです。」

TT:「さて、これで1994年世代が大学を卒業することとなって、すでにグランドスラムの本戦や予選で戦っている同世代と同じプロの舞台に立ちました。」

加治:「どうしても94年生まれとして意識はしてしまいます。でも、皆さんがいうのとは違う94年組として、グランドスラムを目指して、追いつきたいと思います。」

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(林恵里奈選手と)

TT:「『違う94年組』としては、林さんはいいライバル関係ですね。どう見ていますか?」

加治:「さっきも言いましたが、初めて全国に行って最初に当たったのが林でした。」

TT:「細くて長い(笑)」

加治:「はい(笑)全国に行くと林がいました。小学生の頃から大学まで。いつもうまいテニスをするなって思ってます。今でもそうです。こないだも6万ドルでもベスト4に進んだし、すごいですよね。」

TT:「でも加治さんも5月、6月といい成績を残しています。特に甲府では美濃越、林、今西選手という強豪を倒しての優勝。」

加治:「ありがとうございます!勝てて嬉しかったです。」

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TT:「加治さんのプレースタイルは?」

加治:「パワーはそれほどありませんが、基本的にストロークでしっかり打ってゲームを作って行くようなプレーを心がけています。もともとは何でも打つ自滅型だったんですけど、『打ちジコリ』できるよう、我慢のテニスを覚えてきました。」

TT:「参考にしている選手はいますか?」

加治:「特にこの選手を参考にしているというのはないんですが、パーツパーツでは参考にしています。例えば錦織選手でしたら前に入って行くところの入り方なんかはとても参考になります。」

TT:「試合をしてみたい選手は誰かいますか?」

加治:「ブシャール選手とやってみたいです。調子いい時のあの攻撃力と、早いテンポは実際にどんなものなのか対戦してみたいなって思います。」

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TT:「最後になりますが、テニス選手としてゴールや目標はどう考えていますか?」

加治:「グランドスラム出場はもちろん目指しています。最初は予選、その次は本戦、その先にはセカンドウィークまで残れるようになりたいです。」

TT:「ランキング的にはどう考えていますか?」

加治:「ん〜〜(しばらく考えて・・)今はわからないですね。でも、何位になりたいとか、ベストいくつに行きたいっていう自分をリミットしてしまう目標は作りたくはないかなって思います。」

TT:「そうですよね。それでは、そこまでの道のりで今年と来年の目標はどのあたりに置いていますか?」

加治:「今年は200位台に入りたいです。でもここからのランクアップは本当に大変だと思います。」

TT:「来年はどうですか?」

加治:「来年はグランドスラムの予選に出られるところまで行きたいです!200位台前半か100位台を目指さないとならないですが。」

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TT:「選手像として、こういう選手になりたいというのはありますか?」

加治:「はい、周りから応援してもらえるような選手になりたいです。それにプレーがかっこいいって思われるのもいいですね(笑)」

TT:「そういう意味で目標になる選手っていますか?」

加治:「奈良(くるみ)さんは3歳くらいしか変わらないですけど、大きな存在ですし、かっこいいって思っいます。」

最後に一言を書いていただきました。「まだサインらしいのって決めてないんですよね・・(といいながら)・・

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「・・テニスは個人スポーツなので、頑張るのも、頑張らないのも結局全部自分次第。そんな気持ちを書いてみました。」

TT:「あ、一つ忘れていました。」

加治:「はい。」

TT:「本当は左利きなんですよね?」

加治:「え?何で知ってるんですか?小さい頃に最初ラケットを左で持ってやったんですけど、右のほうが強かったので右に変えたんです。」

TT:「じゃ鉛筆と箸は左・・と思ったら、ペンを右で持ってるじゃないですか!」

加治:「いや、え、小さい頃は右利きで、でも左も使ったりで・・」

TT:「何が何だかわからないです!とりあえず、右利きってことにしておきます(笑)」

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