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荒川 晴菜 

「誰よりも試合を楽しむ!」

· 女子プレイヤー,プロ2年以下プレイヤー

「今日は宜しくお願いします。最初にお伺いしますが、まだ高校生ですよね?でも、もうプロになったんですよね?」

「はい!先月(2017年4月)にプロ登録しました。高校3年生です。」

これまでのインタビューで最年少の17歳。申し入れておきながら、どうしたら会話が進むものか考えを巡らせながら本人の到着を待ちました。あどけなさが残る表情からプロの確固たる意識が垣間見られ、気がつくと彼女の試合運びのように、先を読まれて手のひらの上で転がされているような感覚になったことを最初にお伝えしておきます。

今回は、高校生プロテニスプレイヤー、荒川晴菜選手です。

荒川晴菜 選手

(吉田記念テニス研修センター所属)

Tennis Tribe.JP(以下、TT):「まずは、テニスを始めたきっかけをおしえてくださいますか?」

荒川晴菜選手(以下、荒川):「はい。両親がテニスをやっていて、3つ上のお姉ちゃんも始めたんです。私はそこについていく感じでした。ちゃんと始めたのは、5歳くらいと思います。」

TT:「お姉さんがいらしたんですね。」

荒川:「はい、全小(全国小学生選手権)も優勝してて、今はアーカ・・・なんとか大学で・・」

TT:「アーカンソー?」

荒川:「そうそう、その大学で頑張ってます。パワーヒッターで・・」

・・と、しばらく姉の夏帆さんの話が続きました。荒川選手にとって、お姉さんの存在はとてもいい刺激と目標を与えている、憧れの存在なのだろうなと感じました。

さて話を本人に戻します。

テニスは本当に好きで、やめようと思ったことさえないという荒川選手。それでも意外な一面がありました。

荒川:「やめようと思ったことはないんですけど、14〜16歳の頃にはちょっとサボり癖というか、他の選手ほど一生懸命練習をやってない時期がありました。」

 

TT:「ちょっと待ってください、どの選手も『私は人一倍練習してきた』っていうんですが。」

 

荒川:「(村松)千裕ちゃんや(千村)もも花ちゃんは、試合後にも練習とかちゃんとやるんですけど、私は気分にアップダウンの波がある方だったので、試合後に自主練やる気が起きなくって。その頃はやっぱり結果出てないんですよね。」

 

TT:「確かに、全日本ジュニアU12では優勝で全小と選抜ではベスト4ですが、その後はU16で3回戦どまりですね。」

 

荒川:「小学生の頃の成績でしばらくシードもらえていたんですけど、シードを守れればいいかなって感じでした。」

TT:「まだサボり癖、残ってます?(笑)」

荒川:「今は一生懸命やってます!高1の6月にイタリア遠征に行ったんです。同世代の選手たちに全然追いつけなくて。『今まで何やっていただろう?』って思ったんです。それからは自主練も人並みにはやってると思います。」

TT:「高校生なりたてで一番遊びたい時期でしたよね。」

荒川:「ちょっとだけ『JK』に憧れました(笑)!」(聞き手注:JK=女子高生)

TT:「気分の波という話がありました。試合では表情が豊かで、嬉しい顔も悔しい顔もする。それを波とは感じないのですが。」

 

荒川:「気分がアップな時は、そのままポジティブに表現したいと思ってます。でも悔しい時はしわくちゃな顔しちゃって、怒ってるって分かっちゃう。」

 

TT:「それはそれでいいんじゃないですかね。」

 

荒川:「前はよく切れてしまって、足でボンって蹴ったり(『地団駄踏む』のこと)声をあげたり。」

 

TT:「ラケットへし折ったりとか?」

 

荒川:「それはないですー!(笑)切れないように1年前からネガティブな時の感情のコントロールを目標の一つにしてやってきました。高2の全日本ジュニア(決勝進出)ではコントロールできて、それに楽しんで試合をしようって思いました。そうしたら結果がついてきました。」

 

TT:「某コーチの証言では、独り言で『XXっ!』って言ってるとか・・ほんとですか??」

 

荒川:「えー!それ本当ですけど試合中じゃないですよ!練習中にうまくいかない自分に言ったことあります。独り言は多いです。この間の岐阜では『もったいない』って連発していたみたいです(笑)」

TT:「4月にプロ転向をしましたが、いつ頃からプロになるイメージはありました?」

荒川:「小1の七夕の短冊にもプロ選手になるって書いてたので、ずっとです。」

TT:「その思いを高校在学中の高2で決断した経緯を教えてください。」

荒川:「父親からは、『親からお金をもらっている段階ではプロとは呼べない』って言われていて、プロとしてやっていけるのかを早く試したいと思っていたんです。それに去年の能登(ITF25K)で1つ年上の(清水)綾乃ちゃんが決勝、(小堀)桃子ちゃんが準決勝に行ったのを見て、ジュニアでも行けるんだって、私も早くプロになって同じレベルに行きたいって、思うようになりました。」

TT:「ジュニア最後の年に全日本ジュニアを取りたいとは思いませんでしたか?」

荒川:「そうは考えていなかったです。それに、今年2月の全日本室内で準優勝できたので、ジュニアは卒業してもいいって思えたんです。」

TT:「ITFは2016年から本格参戦してその3大会目の京都(10K)で決勝進出、その後2大会(牧之原25K、浜松25K)続けて準決勝進出しています。どう受け止めていますか?」

荒川:「はい、とてもいい流れに乗れたと思っています。特に牧之原はワイルドカード選手権からの出場で、4-5相手のマッチポイントまで行ったんです。なんとか凌げてよかったです。」

TT:「国内の上位選手との対戦をどう感じていますか?」

荒川:「勝ちに対するとても強い気持ちを感じます。私ももっと強い気持ちをつけて、そういうレベルに上がって行きたいと思いました。」

TT:「最近では柏25Kで瀬間選手と対戦しました。強風の中フルセットの激戦。」

荒川:「詠里(詠里花)さんは強い気持ちを全面に出してくる選手で、私が2セット目を取った後のファイナルセットでネットプレーを混ぜてペースを変えてきました。どういう状況でもパフォーマンスを出そうとするプレーを、私ももっとできるようにならないとと思いました。あの大会は上位シードが負けてたので、誰にでもチャンスがあっただけにとても悔しい負けでした。」

TT:「続いてご自身のプレースタイルについてお伺いしたいと思いますが、その前にこちらのビデオをみていただきますね。」

(予想を外した配給によるウィナー)

TT:「これ、決してパワーショットとは言えないのですが、なぜか相手は届かないんです。」

荒川:「配給がうまく行きましたね(笑)」

TT:「そして、これです。」

(ドロップショットからクロスへのゆるいパッシングウィナー)

荒川:「こういうのって大好きなんです!」

TT:「他の若い選手は、体が小さくてもパワーのあるショットをガンガン打つ中で、荒川さんはドロップやゆるい球でのアングルなど柔らかいプレーをしますね。異彩を放っていると思うんです。」

荒川:「お姉ちゃんがパワーのあるボールを打つってお話ししましたけど、力で打ち合おうとしなかったです。腕が折れちゃいます(笑) 緩急や配給でも勝てるって考えていて、小さい頃から不意をついたロブで前に出てドライブボレーで決めるみたいなことしてました。それと、9歳くらいまで片手バックハンドだったんです。シングルはロブとかアングルとかドロップを打ちやすいので、その頃に身についたと思います。」

TT:「参考にしている選手を当ててみましょうか、ヒンギスですよね?!」(自信満々)

荒川:「あ、知ってます。ダブルスの人ですよね?」(まぁ、今は、正しい)「私はラドバンスカのプレーが好きで、16歳の頃はドロップの打ち方を真似たりもしたんですよ!」

TT:「研究熱心な方ですか?」

荒川:「トッププロの試合も風呂に浸かりながら何10分もみていたり、大会中もできるだけ他の選手の試合は勉強になるのでみています。みてるとコースも読めるようになるし。」

TT:「今は主にどの辺りを強化中ですか?」

荒川:「サーブを中心にコーチにみてもらっています。私は体が柔らかい方だと思うんですけど、筋力がないので、柔らかい分悪い方にフォームが崩れてしまうことがあるみたいで。それで、筋トレを取り入れてます。」

TT:「筋力つけて、スピードも上げたいと考えているんですね?」

荒川:「スピードは必要と思いますけど、それよりファーストサーブの確率を上げる方が重要と思ってます。」

TT:「将来と、今年の年末までの具体的な目標を教えてくださいますか?」

荒川:「夢はトップ10ですけど、現実的にはグランドスラムに入れる2桁と思ってます。今年は16大会制限があるので、うまく試合を組んで300位台に入れるように頑張ります。」

※WTAのAge Eligibility Rule (AER)で、17歳の選手は年間最大16大会に制限されている。

TT:「あ、一つ忘れてました。左のもも、青く腫れてませんか??」

荒川:「気合をいれる時にパンパン叩いちゃう癖があって、ジュニアの時に本当に青アザができたこともあるんです!周りからうるさいって言われたこともあるくらいなんです(笑)」

TT:「じゃ、今度右を叩いたらどう?」

荒川:「そうですね、左がかわいそうですもんね!(笑)」

終始大笑いしながら進んだインタビュー。結果的に予定時間を大幅に過ぎて、ここに載せきれないほどの話をしてくれました。

最後に、笑いが絶えない彼女にぴったりの一言を書いていただきました。

応援メッセージは荒川選手のTwitterまたはInstagramへお願いします!

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