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乾祐一郎

「Stay Hungry Stay Foolish」

· Players

Tennis Tribe.JP (TT):「先日はTennis Tribeのファンイベントに出ていただきありがとうございました。本当に楽しそうにファンの方とのヒッティングと交流会を楽しんでいましたね!とても印象的でした。」

乾祐一郎選手(乾):「前からやってみたいなとは思っていたんですけど、ファンイベントって初めてだったんですよ。またあったら誘ってください!」

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実はサッカー少年

TT:「ではお話を伺っていきますね。まずテニスを始めたきっかけを教えてください。」

:「僕はもともとサッカーをやってたんです。東京で生まれてから父の転勤で、3歳は熊本、5歳で広島に引っ越しました。そこでサッカーを始めて、そのあと岡山に移って、10歳でまた広島に戻ってきたころまで、ずっとサッカーです。テニスは両親が週末にやってたので、妹と一緒に少しするくらいで、中心はサッカーでした。」

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(両親のテニスについていってた頃)

TT:「それがどうして、テニスのプロになるまで本格的に始めることに?」

:「10歳で広島に戻ってきて入ったサッカークラブが、どうしても合わなくて、どうしようかなって思っていました。もう団体スポーツはいいかなって思いはじめたりもしていて。そこで少しやってたテニスはどうかなって思ったんですよね。『広島 テニスクラブ』で検索したら一番上に出てきたのがNBテニスガーデンで、すぐに体験レッスンに行ってみました。」

TT:「どうでした?」

:「それまで遊びでしかやってなかったテニスと違って、レッスンはすごくキツくて、ヤバイと思いました(笑)」

TT:「それでもへこたれずに続けたんですね。」

:「幼稚園の頃からスポーツ選手になるのは夢だったんです。その頃はプロゴルファーって言ったみたいですけど、ボールを打つ競技には、少しセンスがあったみたいです。バレーとかも得意でしたし。」

全国レベルに引き上げてくれた先輩の存在

TT:「大会にはいつ頃から出るようになりました?」

:「体験レッスン受けた年(2006年)の9月に出た、鳥取の中国オープンというジュニアの大会だったと思います。実は昨日、その大会の1回戦で当たった人と飲んでたんですよ!なのでよく思い出せるんですけど、その選手は8シードで、日焼けしてて体も大きくて、当然勝てるなんて思ってなかったですけど、勝っちゃったんです(笑)。風に乗ったチョロチョロのスライスサーブを打ってたら相手がはまってくれて、8ゲームマッチの2-6から大逆転で、試合って面白いなって思ったのを覚えてます。」

TT:「調べてみましたら、小学5年生で始めて試合に出たのに、中学2年で全中にダブルスで出場してます。これ、すごくないですか?!」

:「ペアを組んでくれた1つ上の梶下怜紀くんに出させてもらったようなものです。梶下くんは中国地区では負けなしの人でしたから。」

TT:「シングルスはどうでした?」

:「シングルスは中国大会までは出られるようになって、全国大会が見えてきました。でもどうやったらいけるんだろうって思って、勝ってる人を思い出してみると、ミスが少なくて粘り強い人なんですよね。僕はボールを強くドフラットで打つことには長けていたのですが、我慢が足りない自爆系で、相手からはボールを返せば何とかなるだろうって思われてたみたいです。」

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(中学時代は眼鏡をかけてテニスしていた)

TT:「中学の試合で覚えていることは?」

:「僕自身の試合じゃないんですが、ダブルスで全中に行った時に見た、西岡(良仁)くんと増尾(怜央楠)くんの試合です。同じ中学生なのに、このレベル??って、客席の一番前で見入ってしまってました。そこで、何で俺はシングルスじゃなくダブルスだけで来てるんだ?シングルスでも絶対全国レベルに上がるんだ!っていう思いを強くしました。」

TT:「結果的に、中学時代にシングルスでは全国への進出は叶わなかったようですが、高校では1年生で全日本ジュニアに単複で出場。」

:「はい、瀬戸内高校という普通校に進学しましたけど、ここは梶下くんが先にいて、テニスの選手枠として推薦してくれました。最初に全国に手が届いた(U16の)中国予選では、第2シード下のドローだったので厳しいなと思ってました。ところが雨で、急遽メチャ早い室内コートに、しかも6ゲームマッチに短縮されました。僕は長くなるとブレークされる確率が高いので、ラッキーでした。その試合を勝ち抜いて、全国に初めていきました。」

TT:「どフラットで撃ち抜いたんですね(笑)では、初めてのシングルスでの全国はどうでした?」

:「一回戦、6-2 5-4 40-15までいきました。」

TT:「ほう、サクッと。」

:「そう行きたかったんですけど、江坂はメチャ暑くてヒートルールで中断されて、再開された1ポイント目で、足が攣っちゃって。」

TT:「休みの時間何してたの??」

:「第2セットは5-7、ファイナル1-6で帰ってきました(汗)」

TT:「お疲れ様でした・・・」

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:「それでもこの試合はウィルソン(アメアスポーツ)の方が見てくださってたみたいで、1回戦負けなのにラケットを使ってみないかって声を掛けてくださったんです。その時に、人の目に止まるテニスをしているんだなって自覚をするのと同時に、自信にもなりました。高校進学の時点でいつかテニスのプロになりたいっていう意識を持っていましたので、こうやって声を掛けてくださったことは僕にとってプロを目指すターニングポイントになった気がします。」

TT:「他には思い出に残っている試合はありますか?」

:「そうですね、3年のインターハイで、シングルスのベスト16で徳田くん(現在プロ)とやった試合かな。8-9で負けた試合でしたけど、6-3アップであと一息のところまで行きました。間違いなく実力以上が出せて、高校時代の僕の最高の試合だったと思います。」

熱が出るほど悩んだ進路

TT:「さて、高校でのテニス生活を経て、次のステップを考える時です。つまり、進学か、プロへの転向か。」

:「高校の時点でプロを目指すことを決めていましたが、プロになる時期については、インターハイで優勝するくらいの実力が備わっていたら高卒でプロ転向をしようと考えていました。でも、インターハイでは徳田くんに負けてしまいましたので、一度はある大学への進学を考えてお話をしていました。でも考えに考えて、進学よりもプロ活動をすぐに始める方が自分には合っていると結論を出して、入学直前に辞退しました。」

TT:「それはかなりな心労となりましたね。」

:「考えすぎて最後は熱を出してしまって、卒業後も半年くらいは病んでました。」

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(プロ登録する前からITFサーキットに参戦開始)

TT:「2014年の高校卒業後、しばらく休んで、11月から本格的にITFサーキット転戦を開始したのはそういうことですか。でもプロ登録は2016年ですが?」

:「ITFはプロ登録しなくても転戦はできるので回ってました。JTAのランクが100位を切ったのが2016年の2月で、その時にプロ登録を済ませました。その間の2015年はアマチュアとして活動していたことになります。」

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(サーキットを回り始め、バーガーキングすら読めないサインにも驚く日々)

トルコで初体験??

TT:「さて、本格的に海外を転戦を始めましたが、これまで、ほぼ欠かさずクエートに行っているようです。何かいいことでも?」

:「活動1年目に初ポイント(=初ランク)をとれたのが、ITF2戦目のクエート大会でした。2年目はクエートに行かなかったからか調子を落としてしまって、ポイントも失ってしまいました。3年目は今度はダブルスでポイントを取れたので、これはきっと毎年来いということなのか、ジンクスを感じていて、行くようにしています(笑)」

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TT:「最近の戦績を拝見しますと、ダブルスでは準決勝と決勝進出、シングルスでも準々決勝に顔を出してきていて、着実に上がってきているように思いますがどうですか?」

:「特に2018年は色々と噛み合ってきていて、2016年、17年に比べたら、いいテニスができたと思っています。ラケットを変えたことも良い影響だと思います。ウィルソンのPro Staffをずっと使ってきたのをBurnに変えて、それにガットも変えました。ラケットが引き出してくれるんだと思いますが、良い球を打てている感覚があります。」

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TT:「ところで、海外を回っているとハプニングもあると思いますが、どうですか?」

:「あ〜聞いちゃいますか?2016年の事ですけど、トルコの遠征の時です。トレーニングが終わって更衣室で着替えをしていました。そこには髭面のゴツい体格の外国人がいましたが、特に気にかけずにいました。そしたら突然そのヒゲ男に肩を掴まれて、ケツを揉まれて(大汗)・・」

TT:「お〜、初体験しちゃいましたか!」

:「ヤバイヤバイ!って騒ぎながら逃げましたよ!」

(本件の写真はございませんので、ご想像ください)

自分なりのプロの形

TT:「最後になりますが、プロとして、今後の抱負を聞かせてください。」

:「早くにランクを上げるチャンスがあったのに、途中でJOP大会に出たりチャレンジャーに無理して出たりして、取れるポイントを取らず、チャンスを自分から逃して足場を固めきれなかった自覚があります。それでも自分の可能性を信じたいです。それに、ツイッターで何でも聞いてもらえるような、ファンに近いプロ選手でありたいです。皆んながみんな、錦織さんみたいにはなれないので、僕は僕なりの形でプロとして活動をしていきたいです。」

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TT:「いやーいい話を聞けました。ありがとうございました!」

:「あの、、ちょっといいですか?もう一つお話をしたい事があるんです。」

TT:「また何かハプニング?」

:「僕、この2−3年SHISHAMOにがっつりはまっているんですよ。」

TT:「シシャモ? 健康志向だね。骨にいいよ。小さい頃よく食べた。」

:「あの、、バンドのSHISHAMOです。ファンクラブに入って、ライブに何回も行ってて、一番青春してるんですよ!」

TT:「テニス以外にも燃える(萌える?)ものがあるのはいいじゃないですか。仕事とうまく両立してね。じゃ、お疲れ様!」

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(この笑顔をコートでも!)

:「あの、まだ、、」

TT:「今度こそ、抱きしめられた話かい?それとも抱きしめちゃった?」

:「僕、広島が好きなんです。」

TT:「転勤で住み着いたところとは存じませんでしたが、人生の半分以上ですからね、故郷と呼んでもいいんでしょうね。」

:「こないだ女子の花キューピットオープンがあったじゃないですか。何人も、『広島焼きおいし〜』ってアップしてた女子選手たち、一人ひとりに言ってやりたい!それは『お好み焼き』なんだって!」

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(グルメ系のブログではありませんので。念のため・・)

TT:「まぁまぁ、いいじゃないですか。『広島風お好み焼き』だったらどうなの?」

:「それならまだいいです。」

TT:「ちなみにソースはやっぱりおたふくソース?」

:「いやいや、カープソースですよ。」

TT「・・・」

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(広島愛を語る上で外せないこの場所・・)

そのあと長い事、広島を語られましたが、要するに、

・広島が好き

・なので、広島の企業さんからスポンサーをいただけるとありがたい

・いつか広島に戻ってジュニア選手を育成して、還元したい

とのことです!

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最後に一言をいただきました。

ブログのタイトルにもしている、大切な言葉です。

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写真提供:

乾祐一郎選手

北沢勇さん

ご協力ありがとうございました。

聞き手:

Tennis Tribe.JP 新免泰幸