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村松 千裕 

「ぶれずに続ける!!」

· Players

2017年2月、期待のジュニア選手がプロ宣言しました。
今回はその人、村松千裕選手をピックアップします。

村松選手は1998年生まれの18歳。「ちーちゃん」と呼ばれるように、ほんわかとした、どこにでもいそうな女の子なのですが、コートに入ると全くの別人。
ライジングショットをガンガン打って、圧倒的な強さで国内のジュニアを制し、ジュニアグランドスラムの舞台でも活躍してきました。

プロへの転向は迷いなく、一直線だったのだろうと思われるのですが、筆者は昨年5月の岐阜75Kドル大会で村松選手のお母様から「まだ決めていないようです」と伺っていました。
そんな背景を含めて、ご本人に直撃するところから始めます。

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Tennis Tribe(以下、TT):「お疲れ様です、いよいよですね。いつ頃プロ転向を決めたのですか?5月はまだ意志は固めていなかったように思えるのですが。」

村松選手(以下、村松):「お疲れ様です。はい、いつか決めないといけないと思ってはいたんですけど決められなくて。タイムリミットを作って、具体的には全日本ジュニアを終えた後の9月までと決めて、考え続けました。」


TT:「プロ転向以外の道も少しは考えていた、ということですか?」


村松:「はい。プロとしてやっていけるのかという不安の方が大きかったので、なかなか決められませんでした。」


TT:「ジュニア同期で大学への進学を選んだ選手も多くいますが、同じような進路で迷うようなことはなかったですか?」


村松:「少しだけ頭をよぎったこともありました。今はプロ転向せず、行けるなら海外の大学に進むのもありなのかと、漠然とですが考えたこともあります。大学で改めてみっちり基礎を鍛えるというのもありかなと。でも、やっぱりいつかプロとして活動するなら、大学の大会や授業との両立の生活より、どっぷりとプロ活動一本で行った方が自分には合っていると思いました。」

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日本のジュニアを代表する選手だった彼女は、さぞ英才教育を受けてきたのだろうと想像するのではないでしょうか。必ずしもそうではなかったようです。

 

TT:「時間を遡って、テニスとの出会いについて聞かせてください。今までずっとTTC(吉田記念テニス研修センター)でやってきたんですよね?」


村松:「確かに最初にラケットを握ったのはTTCで、4歳の時にキッズクラスみたいなところに入ったのが始まりです。でも、実はすぐにやめちゃったんです。」


TT:「え、どうしたんですか?」


村松:「鬼ごっこのような練習で、体の大きい子に追いかけられたのを怖がってやめてしまった・・」


(爆笑)


村松:「・・ってお母さんから聞きました。実はあんまり覚えていないんですけど(笑)。他のスクールも探したようですけど、結局両親と一緒に練習することにして、10歳か11歳まで過ごしました。」


TT:「そうなんですね。でもその後、鬼ごっこでやめちゃったTTCに戻ったんですよね(笑)。」


村松:「はい、友だちにレベルアップというジュニアのクラスに誘われて、始めました。その後、フューチャーズ(ジュニア育成)に上げてもらえて、今まで続けました。」

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世界を目指す彼女にとって、海外選手との体格差は否めない。その辺もズバリ聞いていました。

TT:「身長何センチになりました?」
 

村松:「161センチです。もう止まっちゃいました。」
 

TT:「世界的には決して恵まれた身長じゃないですが、この体格差をどう考えていますか?」
 

村松:「それ、よく言われるんですが、テニスの上で絶対に重要なこととは思っていないんです。確かに、背が高い方がサーブは強くなるし、手足が長い分リーチも長いですけど、この体格だからできる素早い動きというのもあるし、戦いようはあると思ってます。素早く動いて、早いタイミングでボールを打てば、体格の差は関係なくなります。」

 

TT:「村松選手と言えば、そのボールを早く捉えるライジングショットがスタイルですよね。何であんなことできるんですか??」
 

村松:「思えば、小さい時に部屋の中で軟式テニスのボールで壁打ちしてたんですけど、狭い部屋の中ではライジングじゃないと続かなかないんです。そこから無意識のうちにライジング打ちが身についたのかもしれないですね。でも今は、意識してコートの中に入って早く捉えることを心がけて練習しています。」

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ここで昨年のかしわオープンでの早い展開でポイントを取るビデオを観てもらいました。

村松:「お〜!すごい!」


TT:「僕はこれを見て、和製ブシャール(カナダのライジング打ちの名手)って呼びましたよ!」

 

村松:「うーん、あの打ち方は、真似できないです。。」

 

TT:「ところで、小さいころに憧れていた選手って誰でしたか?」
 

村松:「デメンティエワ(WTA最高3位、2010年で引退したロシアの選手)でした。」
 

TT:「渋い!今、目指す選手、あるいはプレーの参考にしている選手はいますか?」
 

村松:「目指すプレースタイルは、錦織選手です。早くボールを捉えるところが。それと、西岡選手。同じ左利きで、左の特徴を使ったプレーが参考になります。あと、ケルバー(WTA1位、ドイツ)はスタイルは違いますけど、試合運びのうまさはとても勉強になります。」
 

TT:「昨年豊田50Kで奈良くるみ選手と試合しました。どうでした?」
 

村松:「3-6 1-6の試合でしたよね。」(正解!)「奈良さんは、ボールまでの足の運びの速さと、振られても失わないコントロールの良さ、それとバックハンドの攻撃力が印象に残ってます。」
 

TT:「彼女も体格は決して恵まれていないです。」


村松:「そうなんです。それでも、サーブはスピードよりもコントロールを磨けば戦えるんだと学びました。とても勉強になった試合でした。」

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2015年末ランキング1101位から、2016年末は559位に一気に駆け上がった昨年と、プロ転向した今年2017年をどう振り返るでしょうか。
 

TT:「昨年から今年の試合についてお伺いします。まず、昨年の結果(ITF12試合出場、そのうち6試合で準々決勝(QF)進出)はどう受け止めていますか?大きな躍進の年だったですね?」
 

村松:「最初のルーマニア2連戦は、慣れないクレーコートで2戦ともQFだったので、すごく自信になりました。クレーでも戦えるんだと思えたことが収穫でした。その後の日本(飯塚25K、牧之原25K)でもQFまで行けたのはいいんですが、その後の海外での2大会の結果には満足していません。なので、1年の総括としては、不満の残る年でした。」
 

TT:「でも、その海外の試合もQFですよね?!」
 

村松:「はい。でも、その2大会は10Kドルで、1年の終わりには10Kドルで優勝に絡む結果を残すことを目標にしていたので。」
 

TT:「2017年はここまで5試合ですが、どうですか?」
 

村松:「自分の思うプレーがなかなか出来てなくて、結果が出てないので頑張ります。」
 

TT:「何が課題と捉えていますか?」

村松:「リズム、というか。」


TT:「一般人には難しい表現ですね。乗れないみたいな?」


村松:「はい、そういう感じです。練習と試合をしていけば、ひらめいて、リズムをつかむんですが、今年はまだその感覚があまりないんです。なので、ポイントを考えればレベルの高い大会へ出るべきなんですが、今はたくさん試合をできる大会を選んでいこうと考えてます。」

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TT:「最後になりますが、選手としての将来の夢は?」
 

村松:「100位以内に入りたいです。それでも人に覚えてもらうには足りないですよね・・?」
 

TT:「ベスト8とかじゃないと覚えてもらえるような報道にならないですね。」
 

村松:「そうですよね、人の記憶の残るレベルに行きたいので・・」

(少し間を置いて・・)

「トップ10を目指したいです!」
 

TT:「素晴らしい目標ですね。目前の目標としては、今年末にはどのあたりに?」
 

村松:「300位台を目指したいです。」

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TT:「あ、一つ忘れてました」
 

村松:「はい、なんですか?」
 

TT:「試合中、怒ったことあります?勝っても負けてもいつも同じ顔してるので」
 

村松:「えー出してますよ。」
 

TT:「いいえ、でてないです。」
 

村松:「じゃ、もう少し出してみようかな。でも、キャラが違わないですか??(笑)」

インタビューを終えて、一言とサインをいただきました。前の志賀選手のサインがあまりに名言で、どうしようと悩む村松選手。それでもプロとしての今の想いを一言で綴ってくれたようです。

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応援メッセージは、村松選手のFacebookまで!

聞き手:Tennis Tribe.JP 新免泰幸

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